憑依の章

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何かがいる 早くこの場所から逃げないと…… 何故だ? 身体が震えて上手く走れない。 アッ! 痛い! 足がもつれて転んでしまった。 『クックッ……』 後ろで、ゾクッとするような声が聞こえる。 這ってでも逃げなきゃ…… 『うわぁ~』 後ろから乳白色の霧が押し寄せてくる。 逃げなきゃ…… 足がもつれながらも頭を上げて前方を見た。 突然、湧いて出たようにニュウと墓石が現れる。 さっきまでは無かったのに……。 ガシッと足を掴まれた。 もう駄目だ……。 『た、助けて!』 と叫んだ途端に目がパチリと醒めた。
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