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「いらっしゃいませ。 お伺い致します」 20代前半の女が、満面の笑みを浮かべて言った。 「あのぅ……市川さんは、いらっしゃいますか?」  「さっき電話があったから、もう戻る筈です。 こちらにお座りになってお待ちになって下さいませ」 「あのぅ……。“何でも屋”って何をする所なんですか?」  「探偵事務所+便利屋ですね。 愛犬探しとか代役彼氏とか、犬の散歩とか……。何でも代行します」 「変わった商売あるんですね」 「結構、需要があるんですよ」 「おう、ただいま! お客さんかい?」 「所長に用のあるお客さんです」  「あっ! あんた、生きていたのか?」 市川が、目をパチクリ開いて驚いたような声を出した。
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