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中野駅から歩いて15分位の場所に、
明菜のワンルームマンションがある。
最近、明菜は疲れているのか昼寝をすると目覚まし時計でも起きる事が出来ない。
どうしようかなと思っていた所、漫喫で5時間パックを使用して、店員に起こして貰おうという案がパット閃いた。
その案に明菜は思わず笑みがこぼれて、
『その手があったわ』
と、呟いたのだ。
東中野駅は閑散としてホームには数人しかいない。
総武線の電車がホームに10分遅れで
滑り込んできた。
駅のアナウンスで車両故障の影響でお客さまにご迷惑をお掛けして申し訳ありませんと放送していた。
10分遅れにしても電車はガラガラだった。
ドアのすぐ横の席に座る。
明菜の乗った車両は明菜を含めて5人。
明菜は大きく深呼吸してから眼を閉じた。
今日は色んな事があったな。
光一には、昨日の夜の言い訳出来ない写真で婚約解消されるし、
市川さんから聞かされた光一の別の顔、そして火災事故。
また魑魅魍魎などに興味を持っている自分の知らない内面……。
そんな事柄が明菜の頭の中を、
メリーゴーランドのように駆け巡る。
『アッ!』
発車ベルの音で現実に戻された。
慌ててドアが閉まる寸前で明菜は車両を
飛び出した。
ホッとして、自分の乗っていた車両を
振り返った。
『エッ!』
明菜は大きく眼を見開いた。
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