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あっ! この前見た夢と同じね……
入口のドアが人の顔に歪んできた。
そしてニューとドアを突き破って魔獣が侵入して来た。
全身が硬い体毛に覆われている。
その顔は狼と鬼がミックスされたような不気味さであった。
鼻と口がニョッキとせりだし、口から2本の鋭い牙がはみ出している。
黄色い唾液が、ダラダラと床に落ちる。
子牛ほどの大きさの魔獣が、ゆっくりと立ち上がった。
明菜はビックリして風呂場に駆け込もうとした。
『ゴォッー……』
魔獣の口から、紅蓮の炎が吹き出した。
『キャー』
一瞬で明菜は炎に包まれた。
(私が燃えている……)
誰かが右腕を掴んだ。
「あっ! 山川くん。 どうして小学生のままの姿なの? 変な夢ね……」
「説明している暇は無い……」
山川が右手を前に出して、左手を右手の甲に添えた。
“ブラックウィンドウ”
山川が呪文を唱えると、魔獣の前に突然、ブラックホールが出現した。
『ウギャオー』
魔獣は一瞬でブラックホールに吸い込まれた。
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