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(グロテスクな宇宙船は、私達が住んでいたお城を攻撃しているんだわ……)
「これは過去の映像ですよ。
ルーン王女」
「山川くん……アーク王子なのね……」
「思いだしましたか……」
「えぇ……」
「お城を見たいわ」
「じゃあ、見よう。 あの高い木々の梢の上まで飛びましょう」
二人は、チョンと地面を蹴るとフワリと垂直に上昇しだした。
足下の1メートル下に森が拡がっている。
「お城が見えたわ。懐かしい……」
白亜のお城は水晶のような形をしていた。
「あっ! グロテスクな宇宙船から、赤黒いエネルギービームが発射されたわ……」
エネルギービームは白亜のお城を直撃した。
お城を囲むように、淡いグリーンのドームのようなバリアが、パッパッと明滅する。
「あのバリアは10人の魔導士達の精神バリアなんだ。
エネルギービーム等では、精神バリアはビクともしない……。
それで奴らは、この惑星を消滅させる為に、半重力中性子爆弾を投下したんだ」
「えぇ……覚えているわ……」
明菜の大きな瞳から涙が溢れた。
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