【4】

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二人はゆっくりと下降しながら、ストーンと地面に降り立った。 木々には、人間の頭ぐらいのザクロに似た果実がたくさん実っている。 ザックリと割れた果実に、手のひら大の赤や青や黄色の原色の蝶が群がっていた。 蝶は何に驚いたのか急に飛び立った。 地中深く潜って、爆発した半重力中性子爆弾の影響か、立っている事が出来ないほどの振動が襲ってきた。 地表に亀裂が走り、真っ黒なコールタールようなものが地面に拡がってきた。 一瞬にして緑の木々が、黒ずんで朽ち果ててゆく。 二人は光のエネルギーになって、真っ暗な宇宙空間へ。 突然、パァーと周りが明るくなった。 眩しい光を放ってグリーン星は爆発した。 「……あぁ……私の故郷……」 暫くして、また真っ暗な宇宙空間に戻った。 「魔導士達は最後の瞬間に、私と王女が乗ったカプセルを地球というグリーン星に似た惑星へ飛ばした。 そして魔力で無数のパラレルワールドに 私達のドッペルゲンガーを……」 「覚えているわ……。 私達が飛ばされる瞬間に、魔導士達が無数の蛍になって、お城の中がキラキラと輝いていたのを……」 「私達は、このグリーン星では永遠の生命体だったが、他の惑星では永遠ではありません。魔力も10%位しか発揮出来ない……」 『コッ、コッ』 「……お客様! 時間でございます」 「は、はい」 明菜は、ガバッと起きた。 (あぁ……やっぱり……夢か……)
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