【5】

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明菜はボーとした状態で、ガラス張りの店内から外に視線を投げ掛けていた。 『ポーン』 後ろから突然、肩を軽く叩かれた。 ハッと現実に引き戻された明菜は 「は、はい……」 甲高い声を出した。 そして後ろを振り返ると……。 市川が微笑みながら立っていた。 「えっ、どうして此処が……。 早いのね……」 「時間が過ぎても君が現れないから探したよ」 「……えっ、時間は20時30分では?」 「……そうだよ」 慌てて明菜はスマホのデジタル表示を見た。 20時40分を指していた。 「あっ、ごめんなさい」 「いいんだよ。まだ時間があるから 君の悩みを聞こう……」 「時間は大丈夫なんですか?」
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