7243人が本棚に入れています
本棚に追加
/279ページ
明菜はボーとした状態で、ガラス張りの店内から外に視線を投げ掛けていた。
『ポーン』
後ろから突然、肩を軽く叩かれた。
ハッと現実に引き戻された明菜は
「は、はい……」
甲高い声を出した。
そして後ろを振り返ると……。
市川が微笑みながら立っていた。
「えっ、どうして此処が……。
早いのね……」
「時間が過ぎても君が現れないから探したよ」
「……えっ、時間は20時30分では?」
「……そうだよ」
慌てて明菜はスマホのデジタル表示を見た。
20時40分を指していた。
「あっ、ごめんなさい」
「いいんだよ。まだ時間があるから
君の悩みを聞こう……」
「時間は大丈夫なんですか?」
最初のコメントを投稿しよう!