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「……あるわ。以前、所長がスキンヘッドにした時に使ったから……」
「わたしもスキンヘッドにして…お願い……」
「ちょっと所長!」
「なんだい?」
「妹さん、失恋でもしたの……」
「良く分かるな。……妹に起こった事が自分に降りかかったら、私でも立ち直れるかどうか分からない……」
「……所長は必ず立ち直れます。私が太鼓判を押します」
「……そうか。ありがとう……でも君に太鼓判を押されてもなんだかなぁ……」
「妹さんは所長にあまり似ていらっしゃらないから、
本当に妹かしら……とさっき思ったけど、バリカンの話で妹さんだと確信したわ」
「明菜は私に似て無謀な所があるから……」
「女にとって髪は命よ……その髪を切るって死と同じよ」
「……そうだよ。 明菜は死んだんだ」
「明菜ちゃん。 お兄さんが酷い事を言ってるよ」
「……いえ、本当の事だから……」
「……どう言う事なの?」
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