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ジャングルをブルトーザーが、木々を押し倒して進んで行くように、バリカンが通った後はパックリと地肌が現れていた。
5分もしないうちに明菜の頭は、
丸坊主になっていた。
「明菜ちゃん。可愛い」
藤井が手鏡を持って明菜に渡した。
鏡の中の明菜は、自分の見知らぬ人に思えた。
明菜が
「ありがとう」
と言って藤井に手鏡を渡した。
所長は無残に床に落ちている長い髪をビニールの袋にせっせと入れていた。
「これから仕上げに入るわ」
カミソリで明菜の頭を、ジョリジョリと剃っていく。
暫くすると明菜の頭はツルツルになった。
「ちょっと染みるかも知れないけど、カミソリ負けを防止するオイルを塗るわ。ちょっと冷たいよ」
「はい。お願いします」
藤井はカミソリ負けを防止するオイル
を明菜の頭に、まんべんなく塗った。
「よし、完了よ。 所長どう?」
「……ウーン」
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