【5】

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「……所長、どうしたのよ」 「うん。妹より可愛い弟かなって……」 「……よし、私……今日から弟になるわ」  明菜は、そう言うと自分の頭を右手で 軽く叩いた。 『ペチッ』 小気味良い音がした。 『ペチッ、ペチッ』 「お兄ちゃん、何、するのよ?」 明菜が市川を睨んだ。 「……い、いや……あまりに……誘惑に負けて……」 市川が、シドロモドロで呟いた。 明菜がスクッと立ち上がった。 「……明菜、そ、それだけは止めてくれ……」 「……いやよ。 止められないわよ」
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