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ホームルーム開始のチャイムが鳴る。ワタシは思わずビクリと身体が強ばってしまったけど、だけど、いくらチャイムが鳴ったって、変質者のソイツが慌てるはずもなく。
教室からふらりと人影。ふわりと腐臭。
「あッ、ね、ねえ、コイツ何か変なのッ……」
人影に気付いたワタシは、きっとさっきまでの騒ぎを聞いたのだろうその人影に駆け寄ろうとして……
「ッ!? ……ア、アンタも、なの……?」
反射的に立ち止まる。ソイツも、最初の生徒と同じように、白濁した眼でワタシを見ている、いや、ワタシの方を向いているだけでその視線には何も捉えていないみたいだったけど。
真っ黒な肌に、あの腐ったような臭い、それに、理性がないように見えるあのだらりと弛緩した表情。
そんなのがもう一人いる……いや、もう一人じゃない、その後ろからゾロゾロと「……ウソでしょ」何人もいる!
生徒や、それに教師までもがこの制服を着た異常者と同じように、ゆっくりと、ゆっくりとワタシに迫り来る、迫り、狂う。……何なのよ、この腐ったような臭いの偽物たちは!?
ソイツらはどこかが欠けている。マトモな思考だったり理性とかだったり、もしかしたら五感も欠如しているのかもしれない。
そう、それに、身体のどこかの部分が!
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