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いつもと変わらない朝。爽やかでもなんでもない曇天。気温はちょっと低い。
ひらり、軽やかに自転車から飛び降り……れたら良かったのに、どうやったってカッコ良くはならなくて、なんとなく無様に降りる。
いつもと同じように自転車をウメばあちゃんのお店の横に置いてから、ガラガラとちょっと立て付けの悪い引き戸を開ける。
「おはよう、ウメばあちゃん! 今日も元気?」
「やあ、四鍵‐シカギ‐ちゃん、ウメばあちゃんはいつも元気だよ」
ちょこんとお店の奥に座っていて、いつもと変わらないウメばあちゃんのにこやかな笑顔になんだかとても安心しちゃう。
小さい頃から遊びに来ていたウメばあちゃんのこじんまりとしてる駄菓子屋さんに、今は自転車を置いてもらってる。
駅のすぐ近くにあるウメばあちゃんのお店は、それでも、無人駅で周りに何もないせいか、お客さんはワタシ以外にはほとんどいないみたい。それでも、ウメばあちゃんはきっと近所の子どもたちのためにお店は続けるんだと思うんだ。
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