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「え…………」
背中に衝撃。身体が裂けるような、砕けるような、初めての感覚。無意識、手放してしまったスマホの行方を目で追ってしまう。
衝撃で身体が宙に浮く。まるで地震のような。
身体のどこか真ん中から血が噴き出す。
自分の胸から何か巨大な物が飛び出ている。いや、突き刺さっている。痛みと驚きが同時にやってくる。吐血。
声を出「 」すことも出来ない。呼吸「 」も出来ない。出てくるの「 」は、あまりにも真っ赤な血だけ。
一瞬後には痛みを感じることもなく、ただ、訳も分からないまま、ワタシの身体を抉るその黒い何かを見ているしかない。夥しいほどの自分の血が、絶えずその黒い物を滴り落ちている。
ワタシの身体を貫いて地面へと深々と突き刺さったその黒い何かを伝うように、ワタシの身体がズルズルと滑り落ちる。
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