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身体の中心を異物が通り抜ける感覚。違和感と無感覚、何かが恐怖感。
その度に傷口が拡がっていく感覚。どぐんどぐんと脈打って弱まって。
金属質的に冷たくて、そして、何かどろりと生温い感覚。口から溢れる。
色んな感覚が押し寄せてきて、それでもそれらはどんどん鈍く遠くなっていく。まるで、スクリーン越しの他人事のように。
動かない身体じゃ、自分自身の滑落を止められない。
ただ無性に怖い、怖い。痛い、痛くない。痛い。痛い、痛い痛い痛い痛い痛い。……痛くない、なんで。
死ぬ気がするけど、実感なく。ただ漠然と、何かマズいことが起きた、っていう焦燥。
視界が急激に暗くなる。ブラックアウト。地面に叩きつけられたスマホが血に濡れる。ブラックアウト。
そして、ゆっくりと地面に落ちたワタシは何も分からなくなる。不思議に落ち着いて、何も分からないまま、ワタシは死んで
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