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それでも私は内に諦めきれない恋心を秘めたまま、ジョイトイと接してきた。
休み時間にバカみたいな話をしたり、食堂に一緒にダッシュしたり。
それはそれで楽しかった。
別に付き合っていなくても……。
でも、ジョイトイを目線で追いかけているうちに、私に唯一の、辛い時間ができてしまった。
毎週木曜日の3時限目。
ジョイトイはこの時間になると、必ず外の運動場を見ていることに私は気がついてしまった。
運動場では隣のクラスが体育の授業を行っている。
私がジョイトイの目線を追うと、いつもその先にいるのは神埼 風香。
切れ長で大きな瞳に、ぷっくりした唇。
黒のショートカットがよく似合う彼女は紛れもない美人だった。
ものすごく小さな顔に白くて引き締まった身体。
まるでモデルみたいな彼女。
私の太もも周りと彼女のウエストサイズはイコールなんじゃないかと思う。
そんな、私とは真逆の見た目の神埼風香をジョイトイは惚けた顔で眺めていたのだ。
ジョイトイのそんな顔を見る時間がたまらなく辛かった。
太っている自分が駄目なんだとわかっている反面、なんであの女を!と、嫉妬からくる苛立ちと悲しみに心を支配され--私はより過食するようになった。
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