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「神埼さん、彼氏いるんだ。
休み時間は彼といつも仲良く話してるし、手をつないで一緒に帰ってるところも見ちゃって。
でも、そんな姿を見ても俺、神崎さんが好きなんだ。
叶わないってわかってるんだけどな……」
とてもとても、悲しい顔をするジョイトイ。
もしかして私も今のジョイトイみたいな悲しい顔をしていたのかな。
「叶わないってわかっててもバカみたいだろ?はは」
乾いた笑いが耳に響く。
「ううん。全然バカじゃない」
「いいや、バカだ。
てか、いつもみたいにバカだって笑い飛ばしてくれよ」
「できない」
「なんでだよ!頼むから笑ってくれよ……」
気持ちに苦しんで助けてほしいのがわかる。
受け入れられない現実をバカな恋だと笑い飛ばしてもらったほうが気持ちが楽だから。
「笑ったらジョイトイの恋が報われるの?」
それでも私は残酷なことを言い放つ。
笑い飛ばしても現実は変わらないから。
「…ひでぇ。
ブタっちは今まで恋愛なんてしたことないから俺の気持ちがわかんねーだろ!!」
「ざけんな!ブタだって恋するわよ!!」
お互いにファミレスのテーブルを叩きながら大声をあげていた。
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