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「私だって恋するわよ!
てか、私がさらに食べるようになったのも恋しちゃったからだよ!」
「え?」
「でも見てのとおりのこの体型であだ名がブタっちなんて女の恋、報われると思う?
しかも相手には別に好きな人がいるしさ。
私だって報われない恋でずっと辛かったんだ」
ズラズラと口から言葉が漏れ、気がつけば涙が流れていた。
「……ごめん」
「別にいい。この体型で恋してるなんてほうがバカバカしいし」
流れた涙を制服の袖でぬぐう。
「どんな形であれ、真剣な想いを笑い飛ばせるわけがない。でも」
「でも……?」
「笑い飛ばしても結果は変わらないのは事実。
笑われて気持ちが軽くなるのはその場の一時的しのぎだから」
そう。受け入れがたい現実は変わらない。
私もこのデブ体型も、周りから笑われることで、ネタにすることで現実逃避してただけ。
ネタにして楽しいと思いこんでただけ。
結局、私は太いまま。
痩せていて綺麗な神崎さんに嫉妬し、太いのを理由にジョイトイにアタックする勇気もだせない醜いブタのまま。
「笑い飛ばすのは当たって玉砕してからにしようよ。
そのほうがネタになるでしょ」
ニッと笑ってやった。
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