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「なんだよ、それ。
俺、砕け散ってさらに辛いだけじゃん」
「誰が今砕けろって言ったのよ。砕け散るのはもっと後」
「今みたいに指くわえたまま眺めてるだけで玉砕するのと、悔いが残らないくらいに行動してから玉砕するとどっちがいいのよ」
「おい、どっちにしても玉砕じゃ「悔いは残すな!思い立ったが即行動!」」
私はジョイトイに反論の余地を与えず、まくしたてるように言葉を続けた。
「神埼さんに彼氏がいるなら、彼氏と別れるまで待てばいいじゃない。
じっと待って、いよいよ別れたらジョイトイの告白!
きたるその日に玉砕しないために今からしっかりと準備しておくのよ。
恋愛大作戦。
作戦名はずばり"他人の不幸を待て作戦"
どう?」
「どうって言われても」
「はい、異論なしで決定。
このブタっち様が恋のキューピッドになってあげるって言ってんの。
このまま見てるだけでいいの?」
「いや……それは」
「でしょ。悔いなく行動したなら、砕けたっていいじゃない」
「……はは、そうか。そうかなぁ」
頭をポリポリと掻いて納得しだすジョイトイ。
どうやら彼の中のワカチコが顔を出したようだ。
そうだよ、小さいことは気にすんな。
「そうだよ。
それじゃ勉強も程ほどに作戦たてるよ!」
「うん、わかった。
本当にゴメン。それにありがとう」
「別にいいって。ジョイトイと私の仲じゃん」
こうして私たちは勉強道具一式をカバンに詰めて、ファミレスで作戦会議を開いた。
そして同時に決意する。
私もただ指をくわえてる醜いブタのままじゃいけない。
まずはちゃんと痩せてから――ジョイトイに想いを伝えるんだ。
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