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ぽっちゃりなんて甘い言葉は許されないほどの豊満ボディをもてあます女がいた。
それは私、野村杏奈。
いわゆるデブ。
恋愛?
何それ美味しいの?
そんなことより、夕飯の話をしようよ。
色気より食い気の私だけど……でも高3の今、少し色気にも目覚め始めた。
佐竹 潤。
私に「ブタっち」という素晴らしいあだ名をつけた男だけど。
でも、いつしか彼と話しているときが一番楽しい時間だということに気がついたんだ。
授業中、佐竹のことをボーっと眺める。
その佐竹はよく運動場をボーっと眺めていた。
佐竹の視線の先にいるのは――痩せて引き締った姿が美しい、隣のクラスの女子。
なんだ、私と真逆の人間に惚れてるのか。
それに気付いた私は余りあるお腹の肉をつまむことしかできなかった――
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