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「ジョイトイぃいい!朗報だぞー!!」
教室の扉を勢いよく開けてジョイトイが座る席へと向かう。
そこでは頭を抱えて黙り込むジョイトイ。
どうやら、数学の試験が上手くいかなかったようだ。
「ちょっと、試験で落ち込んでる場合じゃないよ。朗報だってば」
「……」
返事がない。ただの屍のようだ。
こういう場合は教会へ行くかザオリクを唱えるのだが、ジョイトイにはこの言葉で充分。
「他人の不幸を待て作戦、第一ミッション完了だよ」
「マジか!」
すぐに顔を上げて反応するジョイトイ。
簡単に復活して何より。
第一ミッション。
それは神崎さんの進路を知ることだった。
「神崎さん、A大学希望だって」
「マジか。
ブタっち、神崎さんの情報知るの早すぎ」
「動けるデブなめんな。
志望大学もわかったんだし、さっさと次の段階に進むよ」
フンっとブタ鼻を鳴らした。
運動は苦手だけど、こういうことは早い。
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