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ガラガラガラ…
「おぅっ!?まーた崩れた」
神聖な空気を漂わせる、天へと伸びる巨塔の如き大きな木の根も、今は見る影もない。
今年に入ってからというもの、原因不明の急速な老朽化により、この場所は日々朽ち果てていった。
元々が何千、何万年の時を生きた木である為、いつ朽ちてもおかしくはないのだが、この速度は異常と言えた。
よって、原因究明する間もなく、倒壊して人類の叡智(えいち)を集めた書物が埋もれてしまう前に、引越をすることが決定したのだ。
こうして日々、司書達はいつ崩れるかとおっかなびっくりしながらも、高大なこの施設を右往左往しつつ、大量の本を運び出す重労働に追われている。
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