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託されし霊剣
次の目的地に向けて進む船の上で、俺は手記を片手に数刻の間唸りを上げていた。
いざ書いてみようとすると、手紙とはまた勝手が違い、先程から真っ白なページを睨み付けては、黒炭ゴケで黒く染めた食指を泳がせている有り様だ。
すると、甲板に上がってきたライルの奴が助け舟を出してくれた。
「アニキの剣ってさ、なんかこう、凄みがあるよな!それって一体どこで手に入れたんスか?」
…そうだな、先ずはそこから書き始めよう。
俺はライルに語りながら記憶を蘇らせる。
アレはもう一年前になるか…
思えばカザミさんとの最後の思い出だーー
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