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『おばあ様、おばあ様! おじい様に差し上げられました。美味しいと思ってくださるかしら?』
『あらあら、よかったわね。かぐやが初めて成功したお菓子だもの。きっと美味しいわよ』
『そうかしら? おじい様がいらないと言うのなら、捨てようと思っていたけれど』
など、おばあさんに不安でいっぱいの様子でおしゃべりしたとわかった時には、嬉しさで打ち震えたおじいさん。
ぺしっと手を叩かれ、触れることを許さないかぐや姫に衝撃を受け、目眩を起こしたことがあるおじいさんは、その理由を知って元気に竹取りに出掛けました。
『おじいさんが寝込んでしまったのは、かぐやのせいではないわよ』
『いいえ、私が綺麗な服と髪を保っていなかったからです。あんなお昼寝起きの姿で、おじい様には申し訳なくて……』
『そういえば、お昼寝起きの時は私が触れるのも嫌がるわね』
『だって、綺麗な格好で大好きな家族と触れ合いたいですもの。汚かったら、きっと嫌われてしまいます』
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