月の姫が願うこと

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『まあ! そんなことはないわよ。私達はかぐやが大好きなのだから、どんな格好をしていても愛しているわ。私達の可愛い娘』  そんなちょっと素直の足りないかぐや姫が、おじいさんもおばあさんも大好きです。涙を流す姿に、二人の家族は決意しました。  子供がいない彼らの娘となって、生きがいともなった愛らしく美しいかぐや姫が幸せになれない未来など許せません。  初めてかぐや姫が泣きながら願ったことを叶えることができないならば、なんのために自分達はいるのだと思いました。 「かぐや、かぐや。可愛い娘、泣かないで。恋文など燃やしてあげますから」 「可愛いかぐや、安心おし。お前の願いを叶えてくれる素晴らしい殿方を見つけよう。儂らとお前を切り離そうとする馬鹿は放っておこう」  かぐや姫を嫁に迎えることしか考えず、彼女の見た目と噂に惑わされるだけの者になど大事な娘を渡せるはずがありません。
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