終バスにのってやってきた

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日向ぼっこ 小さな仔犬の時、クロはしばらくの間 玄関の隅に寝ていた 初めは寂しくて夜中にクンクン鼻を鳴らしてないていた 赤と黒のツートンの目覚まし時計をタオルにくるんで置いてみた カチカチという音に耳をつけあくびをして寝てしまった しばらくするとお腹を上に向けてクロは万歳をして寝ていた お腹を丸出しにして寝ている・・・ マツはクロのお腹にハンドタオルをかけてみた クロはウメ子のようにグッスリ寝ていた 練乳飴の空き箱に入って我が家にやって来たクロ もう練乳箱の空き箱には入らないほど大きくなっていた 玄関で背伸びをしてリビングを覗いたり、リビングに興味を持っていた 玄関にある靴を片っ端からかじり始めた マツの靴の中に小さな歯が抜け落ちていた 3ミリくらいの乳白色の歯だった 犬も歯が抜け変ることを初めて知った いつの間にか歯も生え変わっていたある日 家に帰るとリビングからクロが顔を出した 部屋の中をフラフラと歩いていたようだ 居間に置いてあったトメ子の花柄の布袋に小さなうんちをしていた・・・ 次の日から番犬としてクロは外で過ごすことになった ウメ子とマツはリビングの窓の外に青い屋根の小屋を建てた トメ子はクロの小屋の側に青い火鉢を逆さまにおいて腰かけた クロは青い屋根の犬小屋の中でごろごろしながらじっと見つめていた 日向ぼっこするトメ子のことを・・・
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