終バスにのってやってきた

17/25
前へ
/48ページ
次へ
クロの鼻歌・・・ マツがクロを見ると トメ子が青い火鉢に腰かけていたように 青い火鉢の上でクロがお座りをしていた クロもマツを見て口角をキュッと上げて微笑んで見せた クロはサンタクロースの赤い帽子をかぶっていた クロは「きよしこの夜」っぽいメロディーを口ずさんでいた JAZZっぽいリズム・・・「JAZZだね」とマツが言うと クロは目を細めてマツを見ていた。何か言いたそうだった クロのかぶる赤いサンタクロースの帽子には 白いフワフワしたヘリが付いていた ヘリには小さなボンボンにも見えたがウメの実が付いていた ウメの実は左右に小さく揺れていた マツはしばらくの間、そのウメの実の動きを見ていた 白いフワフワのヘリのウメの実から小さな犬が出てきた ウメから生まれた梅太郎? ウメの実から生まれたウメ犬はマツにウインクすると クロのかぶる赤いサンタクロースの帽子の白いフワフワのヘリの中に 潜ってしまった 今のは、誰だろう? マツが小さな犬になるように 他にも小さな犬になってしまう人がいるのだろうか・・・ 白いフワフワのヘリの中から 「マツ、ウメ子だよ!」と小さな声がした マツはそっと白いフワフワのヘリを覗きこんでみた フワフワのヘリに包まれて「ウメ子だよ」と言ったウメ犬は ウトウトしているようだったが数秒のうちに寝息を立てて寝てしまった 「ウメ子に間違いない」とマツは小さな声で言った
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加