第七話  破られた沈黙

7/22
前へ
/22ページ
次へ
『純くんなら、きっと立ち直ってくれます。 百合子さんの息子ですもの』 アキがそう言うと、百合子はうなづいていた 純の事も心配なのだが、アキは晃司の事も気になっていた。 純と晃司が殴り合いをした次の日から、晃司は店に来ていない。 それに、晃司の店もあの日以来休業している。 もし、自分の事で殴り合いになったのなら、晃司とのあの出来事を純は知ってしまったのかも知れない…。 話があると言うのは、その事なのでは…。 もし…、純が知ってしまったとしたら…。 その事で、純を傷つけてしまったとしたら…。 自分はどうしたらいいのだろうか…。 この先、どうなるのだろうか…。 もう、全てを話す時なのかも知れない。 仕事をしながら、アキはずっとそんな事を考えていた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加