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ずっと外気に晒さず、自分でも触れていなかった部分が、再び奴の手によって熱を取り戻す。
硬くなった皮がめくれ、チクリとした痛みが全身に走った。
?「ここまで綺麗に残るもんなんだな。強く彫りすぎちまったかな」
言いながら、傷の形に沿って指でなぞってくる。
ゆっくりと何度も、何度も。
凛「…っ」
?「…いてーの?ククッ」
あのときもそう。
動けないオレに不気味な笑顔チラつかせて、
オレの鎖骨に刻んでいった。
ゆっくりと。
痛みごと植え付けるように。
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