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外からのぼそりとした声。
一斉にそっちを見やる。
快里「…シュウ」
いつものつなぎ…実家の作業着じゃない姿は新鮮だった。
とはいえ黒のシャツはシュウらしい。
ヤギと似た不健康な肌色に、珍しく浮かんだつり眉毛。
「なに、君には聞いてないんだけど」
「ここは俺の大事な場所でもあるんで。遊び場がほしいなら回れ右してお帰りください」
含まれた怒りを誰もが察しただろう。
悠も驚いたようだった。
「ふぅーん。ま、いいや。断られたって、どのみち今日で全部終わらせる算段だったんだ」
そう言って、大声で誰かを呼ぶ。
短い坂から現れた頭の先を目視したとき、その数に思わず唾を飲んだ。
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