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「逃走中のパロディ企画ですか?」
私は前に、逃走中に参加したことがある。
ミッションに挑みつつ、ハンターから逃げる。我ながら、これをよく体現できたと思う。
その様子を見て決めたというのが、どうやら向こうがオファーした理由らしい。本家で活躍した人を参加させて場を盛り上げるとかなんとか。
「でも、なんでパロディなんですか?……あー、なるほど」
実は10ヶ月前、逃走中のプレイヤーの一人が覚醒剤に手を出して逮捕されてしまった。
しかもそれは、逮捕されたプレイヤーが出る回が放送される一週間前のことだった。
しかし、そのプレイヤーが序盤でハンターに捕まったのが、不幸中の幸いだった。
該当するシーンは編集でカットして放送することはできたが、それ以降は自粛状態になっている。
それでも、逃走中の次回作を待ちわびる声は10ヶ月経った今でもある。
その期待に応えるべく生まれたのが、パロディ企画の名のもとに本家の逃走中を行うというアイデアだった。
「わかりました。やりますよ」
私はこのオファーを引き受けた。あのゲームでしか味わえないスリルと達成感を知ってしまった以上、断る選択肢はないようなものだった。
しかし、予想を越える恐怖が待ち受けていることを、このときの私は知るよしもなかった。
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