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「やーい!桃っ子!化け物の子ーっ!!」
村の子供たちには、格好のからかいのネタになっているようだ。
子供は、時として残酷だから・・・
わたしの身体にしがみついて、肩を震わせている太郎が不憫でならなかった。
「ばぁば、もつ」
「まあ、持てるかしら?大丈夫?」
山へ湧水を汲みに行く道中、最近では太郎が桶を持ってくれる。
行きは太郎が。
帰りは水が入って重いので、わたしが持つ。
ひとりで留守番を嫌がるので、毎日こうして一緒に山を登っては水を汲む。
「このお山にはね、神様のくれた湧水があるのよ」
わたしの母から教わった、村人にも昭治さんにさえも教えていない神聖な湧水の場所。
若い時は日に何度も汲みに行って、食事などの生活の為に使っていた。
年老いてからは、せめて昭治さんに持たせるおむすびの為にと、日に一度は汲んでいた。
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