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 ――夜11時の和食さいとう。11時のこの店は閉店して、眠りの時間に入っていた。  リビングに大崎と智がいる。  大崎はパジャマである紫の全身タイツ姿、智は下着に下半身は黒タイツ姿だ。  2人はテーブルにあるラジオを聞いている。 「野球には「消える魔球」という技がありますが、その仕組みとは地面スレスレにぼーるを投げることで土煙を発生させて、土の保護色でボールを消すことでボールが消えているように見せるのです」  そのラジオの言葉に大崎に電流が走ったッ! 「あれだッ! ボールが煙で消えるように、DRIFTの煙で車を消す作戦で行きましょうッ!」  煙で車を消すという作戦を考えたのだった。 「それは難しいが、出来るなら出来る技かもしれないな。出来れば覚醒技の技として使う方がいいな」 「この技……。覚醒技として使うなら戸沢と戦えますねッ!」  煙で車を消す――。  この技を使った覚醒技ならHeadlightを消しながら走る戸沢と戦えるかもしれないと考える。 「暗いですが今から練習してきますッ!」 「事故には気を付けろよッ!」  パジャマの全身タイツを着たまま、外へ出て、ワンエイティに乗りこむ。  ワンエイティのEngineを掛けて夜の赤城道路を走っていった。 (煙を使って車を消す……どこか懐かしく感じる――)  智は大崎の考えた作戦について、どこか懐かしく感じるようだ。
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