第1章     ほんの幾ばくかの救い・・・

2/3
前へ
/38ページ
次へ
そんな私の気持ちが伝わったのかどうかはわからないが、 しばらくして今日子はそのトーンを緩めた。 とにかくはありがたいことに、 しばらく言葉を鎮めてくれたのである。 それは私がずっと黙り続けていたからかもしれない。 それとも、自分は言いたいこと、思っていたことを すべてぶちまけたので多少の爽快感があったからなのかもしれない。 私に勝った、 私を打ち負かした、 などといった達成感もあったのかもしれない。 とにかく、それはほんの数分という時間だったかもしれないが、 二人の間は静まり返ったのだった。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加