第一章 死者の生還

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 一通りの荷物をしまった頃には、姉の料理がテーブルに並んでいた。  野菜のパン包みに川魚のスープ、ロールキャベツに水餃子、ジャム紅茶が並んでいる。  ガルンが舌なめずりをしていると、遠くで何かの遠吠えのようなものが聞こえた。  静まり返った雪夜には、外の音も良く通る。 「何かしら今の声?」 「声? 動物の鳴き声みたいに聞こえたけど?」  二人は一緒に窓に向かうと外の様子を窺う。   雪が深々と降る中、遠くに何やら光が揺らめいて見える。  始めは家明かりと思ったが、やたらと明かりが多い。  そして、それに混ざって再び鳴き声のような声が響く。 「何だ? 何か様子がおかしい?」  今度は近くで明かりが灯った。  不思議に思ってよくよく見ると、明かりに見えたのは揺らめく炎であった。 「えっ? あれってラナド爺さん家じゃ」  隣の家から火の手が上がっていた。  渇いた空気に木造が燃える焦げ臭い匂いが運ばれてくる。  二人はその異常な光景に凍りついた。  遠くに見える灯りらしきものは、全て見知った家々の位置だと気がついたからだ。 「えっ? 火事ってこと?」      
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