第十三章 忌み子の姫 終詞

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(エクトプラズム!? 違う! コイツは……!)   死霊などの霊体、幽体には物理攻撃も防御は意味をなさない。  ガルンは直ぐさま全てのチャクラを全力回転する。現行では対抗するには霊的攻防が可能な霊妙法しか無い。  万全の状態ならば魔剣ダークブレイズの青い炎以上の魔炎でも、概念干渉で駆逐も可能ではあるが、今のガルンでは出力不足だ。  そして、本来はガルンが身につけた滅陽神流剣法こそ人外の存在に対抗できる最強のカードであるが……今のガルンの技量ではそれを完全に使いこなせていない。  本来は魔術師や神官などの、魔法防御が使える仲間がいなければ詰みの状況である。 「我が邪術は死霊を操る怨念の法術。霊体防御が無い、ただの人間には防ぐことすら叶わんよ」  ガルンを縛る悪霊の数は増え続ける。  階下は死体の海だ。    操る死霊は無尽蔵に近い。 「怨霊呪咆」  クレゼントの呟きと共に、浮遊するゴーストの群れがガルンの身体を貫いていく。 「!!!」  魂が引き裂かれるような痛みと、精神を打ち砕くような痛苦が続く。 (せ……精神汚染に霊的攻撃……)  崩れ落ちる身体を気力で支える。  ギリギリで使った霊妙法での霊体防御が間に合ったようだ。  ただの人間ならば即死であろう。
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