第十三章 忌み子の姫 終詞

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 ガルンはグラハトに聞いた、闇主側(ダークサイド)職業(クラス)の一つを思い出した。 「てめぇ……。 呪怨道士(カース・コンジュラー)かっ」  ガルンの呟きにクレゼントは眉を動かした。  炎に包まれた状態なのでガルンには見て取れなに。 「まだ息がある? それに貴様、何故それを……?」 「そうそう……、やられる……か……よ!」  微かに発生させた霊威力で、縛る死霊を滅却する。  だが、視界が揺らぎ、身体も思うように動かない。 「聴きたい事は数々あるが……、まあ……いい。貴様も我が神の肥やしとなれ」  クレゼントは朗々とマントラを唱え出した。 「く……そ」  ガルンは三度魔剣を振りかぶるが、持つ腕が震え始めた。  魔剣の精神喰いすら、キツくなって来ている。 「終わりだ」  クレゼントが腕を振るうと炎は一瞬で消し飛んだ。  焼け切れたローブの下から、ミイラのような身体が現になる。
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