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「何とかぶっ倒したが……最後には坊主を倒した、あの妖怪ジジィがいるぞ。何だあれは? お前のお仲間か? 坊主に斬られて丸焼きにしても死なないんじゃ、俺では到底殺しきれないぞ?」
ラナンキュラスの質問には答えず、ゼロは何故か視線を下に向けたままだ。
釣られてそちらの床に目を向ける。
「まだ、他に影野郎がいるんじゃ無いだろうな?」
「いや……影にはもう誰もいない。いるのは更に下だ」
「?」
ゼロは床ではなく、さらにその下を見つめているようだった。
その遥か階下を。
そのまま、ゆっくりと立ち上がる。
「化けるか……死ぬかは貴様次第だ」
ボソリと呟くと先の門を見つめる。
「奴は自らアンデット化した怨霊使い《コンジュラー》だ。気を抜くと死ぬぞ」
ゼロはそう宣言して歩き出した。
◇
混濁した意識を始めに刺激したのは臭いだった。
吐き気を催す程の血臭。
頭が重い。
体に力が入らない。
体中に鉛を仕込まれたような経験は一度ある。
雪山で死にかけていた時と同じだ。
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