240人が本棚に入れています
本棚に追加
ジワリと血が溢れ出すのを感じた。
(焦るな。ゆっくりでいい)
チャクラが活性化して行くのを感じる。
全てのチャクラをリンクさせて回転率を上げていく。
胸部と腹部のエーテル治療に入る。 傷口だけはなんとしても塞がねばならない。
最悪、ダークブレイズの炎で傷口を焼いて閉じる事を想定する。
ただ寝そべっていると何かの音が聞こえた。
耳に意識を集中する。
それが、か細いうめき声だと理解するのには一分はかかった。
目の前に青白い光りが見え始める。一つ、二つとどんどんその数は増えて行く。
暗闇に溢れ返る光の量は、まるで夜空の星のように瞬き出した。
(……? 違うここは暗闇だ。見えているのは精霊の眼の方だ)
意識を集中させる。
存在の光が、全て人の形に見え出した。
幼い子供から老人。
種族を選ばず、老若男女異種族がまるで祭でも開催されるかのように立ち並ぶ。
だが……。
全員が全員啜り泣いている。
そのうちの何人かは、急に泣き声が恩讐の呻きに変わった。
最初のコメントを投稿しよう!