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存在の光が黒く濁っていく。それは姿形も幽鬼のように変貌しだした。
それは、ガルンを闇に引きずり込んだ悪霊そのものに見える。
(まさか……ここは)
ガルンは眼を元に戻した。
通常の瞳に見える風景は闇だけだ。
深呼吸して、何とか気合いを入れる。
精神力をゆっくりとダークブレイズに注ぎ込む。
すると魔剣に小さな炎が燈った。
弱々しい光は直ぐにも消え去りそうだが、松明代わりにするには十分だろう。
ガルンは顔を傾ける。
光に照らし出された光景に絶句した。
始めは荊の山かと思った。
赤い刺が大量に飛び出し、視界一面をそれが覆っていると。
だが違う。
それは、よくよく見ると“人のパーツ”をしていた。
手や足、頭も全てバラバラ。
手足や胴体のあちこちから突出した骨の部位が、荊の刺の様に感じたのだ。
骨に肉がついているのか、肉体を押し潰されて骨が突出してしまったのか、どちらが先かは分からない。
無造作に食い散らかされたコヨーテの食べ滓のような外観。
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