240人が本棚に入れています
本棚に追加
クレゼントは怒鳴り散らしながら印を結ぶ。
「ラナンキュラス!」
「了解!」
ゼロは叫ぶと猛然と走り出す。
ラナンキュラスはその場で腰を落として、左腕を斜め下に構えて右拳を引く。
「オン・カシャバタラ・キルヒドウ・ソワ……?」
クレゼントの動きが一瞬固まった。
レッド・インパルスの初撃を、平然と対応できる人間はそうはいない。
「心意象合拳・空鎖功!」
不可視の気功波がクレゼントを襲う。
枯木の様な身体はいとも簡単に吹き飛んだ。
それに平走するようにゼロが追い駆ける。
両手を振るうと、袖口から白銀の布が飛び出した。
絡め取られたクレゼントはそのまま、梃子の原理で地面に激突する。
「砕け散れ」
ゼロが両手を引く。
まるで枯木を折るような、軽い破砕音と共にクレゼントの身体は圧し潰れた。
四肢と胴体を砕かれた姿は、干からびた芋虫のようである。
最初のコメントを投稿しよう!