第十三章 忌み子の姫 終詞

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 ガルンはゆったりとダークブレイズを構え直すと、 「ダークブレイズは闇側(ダークサイド)の最強武装の一つだ。真の焔ならば、光や闇すら侵し燃やす。“存在の構成要素”すら根こそぎ焼き尽くす」  クレゼントの干からびた顔から血の気が引いた。  これでは、ただのミイラにしか見えない。 「馬鹿な?! 存在を浸蝕して……滅却する力だと! そんなもの伝説級(レジェンドクラス)の秘宝何処ろか、神造秘宝クラスでは無いか!」  わなわな震えるクレゼントを見て、ガルンは薄く笑う。 「言っておくが、俺の剣も剣術も、端から“対神兵装”だ。 地を這うアンデットなんぞ全て灰燼にし尽くしてやるよ」  炎極の世界樹に使った黒い炎とは純度が違う。これが“本来の魔剣”の力なのである。  魔剣の炎が青く燃えたぎる。 「お前に殺された人々の怨念が、ダークブレイズをたぎらせる。この一撃一撃が彼らの怒りだ !」  ダークブレイズが唸ると、クレゼントはそれを避ける為に不様に転がった。
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