第十三章 忌み子の姫 終詞

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 それでも、一撃をかわしきれずに顔半分と左肩が燃え上がる。 「ぐおおお!」  不死の肉体に胡座をかいていた為であろう。  防御法術などが展開されていない。  焚火の枝が折れるような音を起てて、クレゼントの身体が燃える。 「おのれ…おのれ!!」  蒼い炎では燃え尽くせないらしく、焼けただれた箇所がゆっくり再生していく。  しかし、炎の純度のせいか再生スピードは極端に遅い。  これでは火だるまになるのは時間の問題だ。  ガルンは構えたダークブレイズに焦点を合わせた。  蒼い炎が揺れている。 (純黒の焔一発で取り込んだ霊気の大半を消費したのか……? やはりチャクラをフルに使わなければ、純黒の焔までは届かないか……)  開眼したチャクラ以外の回転率は今だ低い。  取り込んだ霊気を、チャクラを使用してプラーナやエーテル強化に廻してはいるが、復調には今だ遠い。  また、死霊で攻撃してくれれば幽体喰いで力を得られるが、同じ事を繰り返す程愚かな敵とは思えなかった。
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