第十三章 忌み子の姫 終詞

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 不死性の高いノスフェラトゥを倒すには、それなりの力が必要となる。 (俺がこいつを完全に滅ぼすには……)  ガルンはクレゼントを倒しきる可能性がある攻撃手段に想い走らせる。  即座に浮かぶのは滅陽神流剣法か純黒のダークブレイズ。  後は通常のダークブレイズの炎で滅びるまで攻撃し続けるかの三つだ。  ただ、滅陽神流剣法を使うには疲弊したチャクラでは心もとない上、霊妙法行使時間がネックとなる。  ガルンが思案していると、クレゼントがいきなり自らの腕で胸を貫いた。  疑問符を浮かべるガルンを見ながら、クレゼントは引き攣った笑みで告げる。 「くくくっ……。いいだろう。もう王国を統べる事は諦めた。変わりにこの世に蔓延る、生きながら腐った亡者どもを根絶やしにしてくれるわ!」  ブチブチと嫌な音を立てながら何かを引き抜く。  そこからは、体の大きさにそぐわない青い本が現れた。  本のカバー全てに目が書かれている。
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