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炎は瞳の一つに飲み込まれる。
吸奪眼だ。
ガルンは目を見開いた。
魔導書の中から人影が吐き出された。
原型はクレゼントだが――魔人化している。
右腕の肘から先が無いのはその名残か。
身体の至る所に瞼がある。
ガルンの直感が危険信号を送る。
背から蝶白夢を抜くのと、瞳が一斉に開かれるのはどちらが早かったか。
ガルンの眼前の空間が歪む。
瞬間的にチャクラを脚力に回したのか、ガルンは無意識に後方に跳躍していた。
空気を吸い込む妙な高音と共に、歪みに辺りの物が飲み込まれていく。
空に舞っていた蝶が飲み込まれて、一瞬で水しぶきに変わる。
ガルンを追うように、空間に真空の穴が発生する。
避けるガルンの動きが、いきなり止まった。
まるで見えない何かに空中で絡めとられたような、不自然な停止。
次の瞬間、空間が爆発した。
直撃を受けて吹き飛ぶガルンに、新たな瞳が向く。
瞳孔が収縮する。
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