224人が本棚に入れています
本棚に追加
/1308ページ
黄色く輝く閃光が瞬いた。
収束する光の束がガルンの右肩にあたると、一瞬で右肩は溶解した。
その一撃はガルンを貫き、後方の壁に熱点をつける。
壁は熱膨張の様に膨れ上がると大爆発を起こした。
ダークブレイズごと吹き飛ぶ右腕を無視して、ガルンは妖刀を振るう。
しかし、その腕を真下から突如現れた、黒い槍が貫いた。
いや、腕だけでは無い。
左太腿と右脇腹をも貫く。
黒い槍は足元、影から飛び出していた。
絶句するとは正にこの時か。
落下も出来ずに、ガルンは空中で影の槍に貫かれて宙づりになってしまった。
「クッハハハハッ!」
クレゼントの妙にエコーの効いた笑い声が木霊する。
「ドウダ。コレガ魔眼ノ力ダ! 今ノ我ニハ、バロール・フェロスノ五十ノ魔眼ガアル! 人間ゴトキガ抗ウ存在デハ無イ」
嘲笑が上がる。
五十の魔眼。
千眼の魔神バロール・フェロスの二十分の一の力を持つ魔人。
最初のコメントを投稿しよう!