第十三章 忌み子の姫 終詞

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 黄色く輝く閃光が瞬いた。  収束する光の束がガルンの右肩にあたると、一瞬で右肩は溶解した。  その一撃はガルンを貫き、後方の壁に熱点をつける。  壁は熱膨張の様に膨れ上がると大爆発を起こした。  ダークブレイズごと吹き飛ぶ右腕を無視して、ガルンは妖刀を振るう。  しかし、その腕を真下から突如現れた、黒い槍が貫いた。  いや、腕だけでは無い。  左太腿と右脇腹をも貫く。  黒い槍は足元、影から飛び出していた。  絶句するとは正にこの時か。  落下も出来ずに、ガルンは空中で影の槍に貫かれて宙づりになってしまった。 「クッハハハハッ!」  クレゼントの妙にエコーの効いた笑い声が木霊する。 「ドウダ。コレガ魔眼ノ力ダ! 今ノ我ニハ、バロール・フェロスノ五十ノ魔眼ガアル! 人間ゴトキガ抗ウ存在デハ無イ」  嘲笑が上がる。  五十の魔眼。  千眼の魔神バロール・フェロスの二十分の一の力を持つ魔人。
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