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今、使用した魔眼も、空穿眼、制止眼、爆散眼、染熱眼、操影眼と五つでしかない。
これの十倍の魔眼を操る魔人。
まともに戦って勝てる存在が、この地上にどれだけ存在する事か?
しかし、クレゼントの嘲笑に重なってもう一つの嘲笑が上がった。
クレゼントの笑みがピタリと止まる。
“後方についている魔眼”が辺りを見回すが、何も見えない。
「何モノダ?!」
身体全体で声を捜す。
「完全に新生した魔人ならやられていたかもな……」
フと聞こえた冷めた声色。
ようやく見つけたのは、迫り来る黒い焔だった。
気付いて吸奪眼を発動する。
妙な火花のような音が真横から聞こえた。
「!?」
違和感に気付いた時は既に遅かった。
上半身に黒い焔が降り懸かった。
一秒。
クレゼントが疑問に思考を回せた時間は僅かそれだけだった。
上半身は一秒で黒い焔に蒸発させられてしまっていたからだ。
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