第十三章 忌み子の姫 終詞

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 何故かネーブルが不機嫌そうに話しに割って入ってきた。 「だいたいガルンはな~スタンドプレーが多過ぎなんだよ! 俺達が来なかったらここで野垂れ死んでるぞ!」 「それは同感。お前早死にするタイプだとは思ってたが、今回はマジに死んでると思ったぞ?」  グレイが相槌を打つ。  しみじみと頷いているのは二年間の付き合いならではだろう。 「フン、俺は貴様が死んでも別に構わんがな。しかし、せめて約束通り酒は奢ってから死ね」  ハオロンの言葉を、ガルンは不思議そうに聞いた。 「……? お前なんでいるんだ?」  その言葉にハオロンは青筋を立てる。 「団長の命令だ! 俺もお前らと一括りにされてんだよ! 誰が好き好んで救援に来るか!」  吠えるハオロンを見てガルンは苦笑いを浮かべた。  ネーブルとグレイも顔あわせると笑い出す。 「お前空気扱いされすぎ!」 「言い過ぎだネーブル! 影が薄いのは、本人も気にしているかも知れないぜ?」 「きっ、貴様ら……」
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