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----次の日。
通常業務を終えた私と課長は鑑識室に向かっている。
着くまでの間に、私は昨日公園で起こったことを話した。
「…そうか。とりあえず何にもなくてホントに良かった。レイが言ったことは正しいな。"助けたいと思うなら自分も大切にするんだな"…かアイツもいいこと言うわ。」
「…はい。もう無茶なことはしません」
「そうだな。……にしても、こんなときに俺は何でついててやれなかったんだぁ!あんな男ばっかりの空間で、したくもないお世辞いって…はぁ管理職は辛いよなぁ。」
空気を変えるためなのか、本心か、課長は突然ぼやき出す。
私はそれに笑いで返した。
なんて話してる間に、鑑識室に着いた。
中に入るといつものようにレイさんと影山さんの二人が迎えてくれた。
彼らと軽い挨拶を交わすと、話題はすぐ昨日の話に移った。
「話は来る途中、持田から聞いた。…この件なかなか大変そうだな。」
「僕もレイから聞きました。持田さん大丈夫でしたか?」
「はい。特に怪我をした訳じゃないですし。…でもあんなに激しいのは初めてかもしれないです…」
「あぁ、夜だったとはいえ、あれはまれだな。」
基本的に幽霊というものは昼間より夜の方が力が増すらしい。零課
としては本来昼間に活動したいのだが、何せ非公式。昼間は通常業務があるのでできないのだ。人目もあるし…
「その事なんですけど、私、昼間にあの子に会いに行きたいんですが…」
「…何か気になるのか?」
「はい。私…あの子のこと知ってるような気がするんです。」
「お前が交通課のときか?」
「わかりません。だからちゃんと会って話したいんです。…ダメですか?」
レイさんと話していると課長が話にまざってくる。
「まぁなんとかならなくはないけど、昼間は人の目があるからなぁ。」
「じゃあ公園を封鎖してしまえばどうですか?話を聞く限り、かなり危険度は高そうですし。」
「封鎖するのは賛成だ。公園に来た子供達に何かあったら大変だしな。ただなぁ…口実がなぁ」
「口実ですか…あっ良いこと思い付きましたよ。こういうのはどうです?」
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