4人が本棚に入れています
本棚に追加
----次の日。
私は業務終了後に、影山さんと二人で、タケルくんに初めて会った上野第三中央公園に来ていた。
「…なんか今回は初めての組合せばかりです。よろしくお願いしますね、影山さん。」
「もう一度言っておきますが、ボクはあなたより弱いんですからね。あまり無茶なことはしないでくださいよ?」
「はい、わかりました。」
何で私が影山さんといるのかというと-----
--業務終了後の鑑識室。
いつもの捜査零課のメンバーが集まる。
「昨日とくにすることもなかったので、彼の母親について調べておきました。結構あっさり見つかりましたよ。」
影山さんはプリントアウトされた数枚の紙をみんなに見せる。そこには、気の強そうな女性の写真と、高橋真理恵、旧姓小林真理恵、タケルくんの母親の現住所と経歴が一覧されていた。
「おっさすがだなぁ~。ナニナに現在の住所は…あぁ案外近くに住んでるんだな。母親が見つかったんなら、予定変更してオレはこっちを見てこようかな。」
「じゃぁ、前の住所にはそのまま俺がいくか。」
「そうだな、適材適所でいこう。」
流れが決まったみたいなので、昨夜のタケルくんのお願いについて相談してみた。
「あの課長…私はこの間の公園にいこうと思うんですけど、ダメですかね?」
「…何でまた?」
「タケルくんがあの公園でお団子を作りたいみたいなんです。…やりたいことがあるならやらせてあげたくて。」
「お前さんはまったく…ただなぁ、封鎖がとけてるか一般人もいるだろうし、行くとしたら夜だよなぁ…レイどうだ?」
「そうだな、このところの様子を見てる分には大丈夫だろ。ただ一人で行くのはおすすめしないな。」
「そうだよなぁ。…影山、行けるか?」
「…まぁとくにすることもないですし、行けますけど。ボク持田さんより数段弱いですよ?」
「そこなんだよなぁ。でもまぁ、いないよりましだろ。いざとなったら担いで逃げろ!」
「…わかりました。まぁ何もないことを祈ります。」
「よろしくお願いします。良かったね、タケルくん。お団子作りに行けるよ。」
私が微笑みかけると、こっちまで嬉しくなるような笑顔でかえしてくれた。
そんな二人の光景に癒されている、男三人。
最初のコメントを投稿しよう!