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-------梶原 side-------
「さてと、とりあえず来てはみたものの…」
オレはタケルの母親の現在の住みかに来ていた。
いざ来てみるとそこには豪華な家が立っていた。
「こりゃ立派だね。ずいぶん稼ぐ旦那を見つけたもんだ。」
俺は家のチャイムを押す。
「…はい。」
「上野公園署のものですが…」
「警察!?今開けますから。」
玄関のドアが勢い良く開き、中から目的の奥さんが顔を出す。少し離れていてもわかるくらい、整った顔立ちをしていた。俺が軽く会釈をすると、キョロキョロと回りを確認し手招きをした。
「いいから、早く入ってください!」
招かれるまま、玄関にはいる。
俺が入ると、素早くドアを閉め鍵をかけたた。
「…こっちも世間体がありますので。警察にうろうろされたら御近所に何を言われるか…どうぞお上がりください。」
来客用のスリッパを出し、リビングへと招く。
「じゃぁ、遠慮なくおじゃまします。」
リビングにはいると芸能人の家みたいな印象を受ける。なんつうか、さりげなく金持ちアピールみたいな。
「お茶をいれますので、そちらに掛けてお待ちください。」
「あっお構い無く。」
俺の返事も聞かず、奥さん--高橋真理恵はサッサとキッチンへ行ってしまった。
やれやれ…ずいぶん警察が嫌いみたいだな。ああ好きなやつなんてそんなにいないか。
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